構造解析

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2次元弾性解析のMS-Excelテンプレート

滝 敏美
2009年9月12日

1.はじめに

パーソナルコンピュータの表計算ソフトの能力はひじょうに高く,高度な数値計算にも使える.MS-Excelについている数値最適化機能(「ソルバー」)を使って,エネルギ法を直接適用することにより各種(線形解析,幾何学的非線形解析,座屈解析)の構造解析ができる.

2.「ソルバー」について

Microsoft社の表計算ソフトMS-Excelにはアドイン・ツールとして「ソルバー」と呼ばれる最適化を行うツールがついている.「ソルバー」は,指定した制約条件のもとで複数のパラメータを変化させて,ひとつの関数値を最小化,または最大化する機能を持つ.

3.「ソルバー」の構造力学への適用

「ソルバー」の機能を使うと,エネルギ法に基づいて構造問題を解くことができる.従来から構造力学で用いられてきた2種類の解法,変位法(最小ポテンシャル・エネルギの原理),応力法(最小コンプリメンタリエネルギの原理)が使える.座屈問題等の固有値問題にはレイリー法が使える.

4.2次元弾性解析テンプレート

わたしは10年以上前からこの方法を航空機構造解析の実務に使ってきた.2008年には航空宇宙学会の「構造強度に関する講演会」でこの方法の有用性を紹介した(参考文献[1]).
2次元弾性問題解析用のテンプレートにして使いやすい形にしたので,ホームページで公開する.

モデルリングの方法は,
- 節点と要素は有限要素法と同じ
- 節点の自由度は2自由度(並進自由度)

制限は,
- 節点数: 110
- 要素数: 制限無し
- 材料: 直交異方性材料
- 要素タイプ:
-- 2節点軸力要素:「ROD」 要素内軸力一定
-- 3節点三角形膜要素:「TRIA3」 要素内応力一定
-- 4節点膜要素:「QUAD4」 アイソパラメトリック要素
-- 4節点せん断パネル要素:「SHEAR」
-- ばね要素:「SPRING」


テンプレートのダウンロードはここをクリックする --> "2d_template_090912.xls" (1,876KB).

5.例題

例題 (1) トラス --> "example1_truss_090912.xls" (1,906KB).
例題 (2) テーパーしたせん断梁 --> "example2_taper_090912.xls" (1,974KB).


参考文献
[1] 滝 敏美「表計算ソフトの最適化機能を用いた構造問題へのエネルギ法の直接解法の適用」,第50回構造強度に関する講演会講演集,北九州(2008)64-66.

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