輪ゴムで飛ばすゴム動力機の作り方と飛ばし方

作成:滝 敏美
2023年2月19日
改訂 2023年6月5日
改訂 2023年6月26日
改訂 2023年6月29日

簡単に作れて,よく飛ぶゴム動力飛行機を紹介します.
機体の翼幅は400mm,重量は動力ゴムも入れて約17グラムです.
入手し易く,安価な材料を使って作ることを目標としました.プロペラも自分で作ります(購入してもよい).
特に,動力ゴムとして入手しやすい輪ゴムを使うのが特徴です.普通はゴム動力飛行機専用のゴムを使いますが,このゴムはインターネットでしか入手できず,しかも高価ですので,あえて輪ゴムを使うことにしました.
最初は翼にはダイソーのスチレンペーパーを使っていたのですが,2022年に販売中止になったので,食品トレイで代用することにしました.(そのため,重量が増え,少し性能が落ちました.)

わたしがゴム動力機を始めた1年前はわたし自身がゴム動力機の初心者だったので,設計法,作り方,調整法について調査・研究してきました.その成果を生かして,初心者にも作りやすく,調整しやすいように配慮しました.調整法はゴム動力機の3次元運動解析を行って独自に開発した方法です.この3次元運動解析については日本航空宇宙学会の「飛行機シンポジウム」で発表するつもりです.
「ゴム動力模型飛行機掲示板」の松本允介様にはゴム動力機についていろいろ教えていただきました.感謝します.



手前が作り方を説明するライトプレーン,その後ろはスポーツ機,一番後ろはP-47 サンダーボルトのプロフィル機

特徴

■ 動力ゴムとして,#18輪ゴムを使用.
■ 発泡スチロール板の三角形断面(「へ」の字断面)折り曲げ主翼:高い空力性能,製作が簡単,強度向上.
■ 容易な飛行調整:プロペラ軸の方向調整が容易なプロペラ支持方法,ガーニーフラップの採用.

材料・工法

■ 入手が容易な材料を使用し,塗装は不要.有機溶剤を使わない.
■ 胴体構造は1本のヒノキ棒.プロペラ支持部は単純で,プロペラ軸の方向の調整が容易な構造.
■ その他は2.5mm厚の発泡スチロール板(食品トレイの廃材)を接着して組み立てる.
■ プロペラは自作.または,市販品でもよい.

作り方

1.材料
■ 2.5mm厚発泡スチロール板:翼の材料.食品トレイの底から切り出す.
■ 4mm角ヒノキ棒:胴体の材料.ホームセンターで売っている.
■ 3mm角ヒノキ棒:プロペラブレード軸用.ホームセンターで売っている.
■ 2mm角ヒノキ棒:上反角治具用.ホームセンターで売っている.
■ アルミの薄板:缶詰の空き缶のふたを利用する.プロペラハブ用.
■ 0.5mm〜1mm厚ポリスチレン板:プロペラブレード用.100円ショップや模型店で売っている.
■ 大型ゼムクリップ:直径1.4mmの鋼線でできているもの.プロペラ支持部品用.文具店で売っている.
■ ゼムクリップ:プロペラの空転ラッチ用.ゴムのガイド用.文具店で売っている.
■ 直径0.8mmピアノ線:プロペラシャフトとゴム掛け用.模型店で売っている.
■ 直径2〜2.5mmアルミ針金:S環用.ホームセンターで売っている.
■ ビーズ:プロペラのベアリング用.手芸店で売っている.
■ 糸:手芸店で売っている.
■ 板鉛:重心調節用.釣具店で売っている.
■ #18輪ゴム:動力用のゴム.文具店,ホームセンターで売っている.
■ 両面粘着テープ:板鉛の取り付け用.ガーニーフラップの取り付け用.
■ コピー用紙:主翼結合用.
■ 発泡スチロール用接着剤
■ 木工用ボンド
■ 瞬間接着剤
■ エポキシ接着剤(10分硬化)
■ ボンドGPクリヤー
■ スティックのり

2.工具
■ カッティングマット:300 mm×450 mm の大きさがよい.カッターで部品を切り出すときに,机を傷つけないために必要.接着組み立て時に定盤としても使用する.
■ 定規:カッターを使うために,片側が金属で保護されているものがよい.
■ カッター:デザインナイフと呼ばれる細かい作業向きのものがよい.100円ショップにある.
■ はさみ
■ やすり,またはサンダー
■ ピンバイスとドリル:ピンバイスは 100 円ショップにある.直径0.9mmと1.5mm のドリル.
■ ラジオペンチ:プロペラシャフトやフックの製作に使用する.
■ 丸ペンチ:プロペラハブの製作に使用する.
■ ボールペン
■ マスキングテープ:接着組み立て時に部品の固定のために使用する.




3.図面
図面は ここからダウンロードできます.

図面に基づいて,主翼の展開形と水平尾翼,垂直尾翼の実寸型紙を描きます.
主翼の実寸型紙には,折り曲げ線も描いておきます.
主翼の中央リブの実寸型紙も描きます.

■ 機体諸元
翼幅:400mm
全長:320mm
機体重量(ゴム無し):約14gf
ゴム重量:2.8gf,#18輪ゴム15本
全備重量:約17gf
主翼面積:29100mm^2
平均空力翼弦(MAC):73mm
水平尾翼面積:8400mm^2
水平尾翼容積:0.64
重心位置:30%MAC
プロペラ:直径170mm,ピッチ比1.4

4.発泡スチロール板のつなぎ合わせ
底が平らで一様な厚さ(約2.5mm厚)の食品トレイから,発泡スチロール板を切り出します.発泡スチロール板を発泡スチロール用接着剤でつなぎ合わせて,部品に必要な大きさの板を作ります.




5.発泡スチロール板から部品の切り出し
実寸型紙をの発泡スチロール板の上に置き,シャープペンシルの先端で実寸図の上から穴をあけて発泡スチロール板に部品の形状をうつします.発泡スチロール板にあいた穴をたよりにして部品の形状をボールペンで描きます.
部品をカッターで切り抜きます.

6.主翼の製作
発泡スチロール板の接着には発泡スチロール用の接着剤を使います.ただし,食品トレイの発泡スチロール板の切断面には発泡スチロール用の接着剤が付きますが,表面にはコーティングがしてあるので,発泡スチロール用の接着剤はつきません.表面に接着する場合にはボンドGPクリヤーを使います.

主翼の折り曲げ線にカッターで切り込みを入れ,溝を彫ってから折り曲げます.折り曲げを一度元に戻して溝に発泡スチロール用接着剤を塗ってから,また折り曲げ,治具を使って固定します.




主翼内翼と外翼を接着する前に,25度の上反角をつけるために外翼の内側をサンディングします.
外翼と内翼を接着し,上反角治具を使って固定します.




この後に,外翼・内翼結合位置の下面に幅10mmのコピー紙をボンドGPクリヤーで貼り,補強します.
最後に,主翼の中央に中央リブをボンドGPクリヤーで接着します.



上反角治具 -- 食品トレイを切り,2mm角ヒノキ棒をマスキングテープで取り付け


6.プロペラの製作
ここでは直径170mm,ピッチ比1.2 のプロペラを自作するとして説明しますが,市販されている直径180mmのプロペラを購入して使うこともできます.




(1)ハブの製作
缶詰のふた(アルミ製)のなるべく平らな部分から16mm幅×32mm長さの長方形の板を切り出します.



これを直径4.5mm程度の棒に巻いて,筒状にします.
巻いた端の隙間に瞬間接着剤を流し込んで,アルミのパイプを完成させます.これがハブです.
ハブの中央に直径0.9mmの通し孔をあけます.これがプロペラシャフトの通る孔です.
中央の孔から3mm離れた位置に直径0.9mmの孔をあけます.これは空転ラッチをつける孔で,貫通孔ではありません.



(2)ブレードの製作
シミズ流円筒巻き付け法でプロペラブレードを製作します.




直径170mm,ピッチ比1.4のプロペラブレードの型紙をここからダウンロードできます.

0.5〜1mm厚のポリスチレン板を直径約70mmの茶筒に巻き,輪ゴムで固定し,熱湯をかけてポリスチレン板を円筒状に成形します.
成形した板の表面に円筒の母線(円筒の長手方向の線)を描いておきます.
スティックのりを使ってブレードの型紙を成形した板に貼り,ブレードを切り抜きます.ブレード基準線と翼角30度の線をブレードに写します.
ブレードから型紙をはがします.





3mm角ヒノキ棒から18mmの長さの棒を4本切り出します.
下の図にしたがってブレード軸を製作します.
ブレード軸ができたら,ボンドGPクリヤーを使ってブレードとブレード軸を接着します.








ハブに0.8mmのピアノ線を通します.
ブレードの翼角30度の線に合わせて,30度の角度をつけた治具をマスキングテープで取り付けます.
ブレード組立のブレード軸とハブの孔にエポキシ接着剤を塗り,ブレード軸をハブに差し込みます.このとき,ブレードの角度を治具を使って決め,固定します.ピアノ線と治具の角度をよく見て,ブレードの角度を合わせます.




最後に,ゼムクリップで空転用ラッチを作り,ハブの穴に差し込み,瞬間接着剤をつけて接着します.




別の空転クラッチ(Nason Clutch)を紹介します.この空転装置のほうが確実に動作します.



もうひとつ,Nason Clutchの変形版を紹介します.




7.胴体の製作
プロペラシャフトとゴムフックを直径0.8mmのピアノ線を曲げて作ります.



大型ゼムクリップを一度真っ直ぐに伸ばし,図面に示す形に曲げてプロペラ支持部品を作ります.

4mm角ヒノキ棒を長さ12mmに切り,断面の中心にドリルで直径0.9mmの通し孔をあます.孔の両側に瞬間接着剤を流します.孔を補強するためです.接着剤が硬化した後,もう一度ドリルを通します.これをプロペラ支持部品に糸でしばり,エポキシ接着剤をつけて固めます.



胴体となる4mm角ヒノキ棒を必要な長さ(280mm)に切ります.
胴体の後端の下側を図面にしたがってテーパーに削ります.
4mm角ヒノキ棒の先端から12mmのところにプロペラ支持部品を取り付ける穴(直径1.5mm)をあけ,溝を彫ります. この穴と溝にエポキシ接着剤を塗り,プロペラ支持部品を取り付け,糸でしばり,糸の上からさらにエポキシ接着剤をつけて硬化させます




図面にしたがって4mm角ヒノキ棒にゴムフック取付穴をあけ,ゴムフックを取り付け,糸でしばります.糸の上からエポキシ接着剤または木工用ボンドをつけ硬化させます.




プロペラシャフトをプロペラ支持部品のパイプに差し込みます.
プロペラシャフトの先端からビーズとプロペラを通します.プロペラ軸の先端を直角に曲げて,プロペラの空転ラッチに引っかかるようにします.






6.機体の組み立て
胴体に主翼,水平尾翼,垂直尾翼をボンドGPクリヤーで接着すれば機体の完成です.おもりとゴムをつける前の重量は約14グラムでした.



7.ゴムの準備
直径1.2mmのアルミ針金を使ってS環を作ります.
直径2.5mmと直径4mmの丸棒に巻き付けると簡単に作ることができます.




図に示すように,#18輪ゴムを15本つないで,S環にかけ,輪にします.ゴムとS環の合計重量は約3gfです.
結び目を作らないようにつなぐことが重要です.
急上昇する飛行パターンとなるように,プロペラ直径170mmと輪ゴム15本の組み合わせにしました.

ゴムの潤滑:ゴムに潤滑剤をつけると,ゴムが切れにくくなるので,なるべく潤滑したほうがよいでしょう.潤滑剤としてはシリコーンが入った自動車の保護・つや出し用のポリクリメイトかアーマーオールを使います.つないだゴムをジッパー付きのポリ袋に入れ,ポリクローメートかアーマーオールをふりかけます.その後,ゴムを袋から取り出して乾燥させればおわりです.




ゴムの巻き数とトルクの関係を下の図に示します.
潤滑の有無で破断巻き数がかなり違うことがわかります.
潤滑には自動車の艶出し用の「アーマーオール オリジナル」を使いました.シリコーンが主成分です.
なるべく潤滑をしたほうがよいと思います.

左の図は,潤滑無しで230回(破断巻き数の約70%)まで巻いて,巻き戻すときのトルクを表しています.戻る最初の30回くらいで急激にトルクが低下して,あとはトルクの変化が小さいことがわかります.
右の図は潤滑有りの場合ですが,同じような傾向を示しています.

破断巻き数は輪ゴムの製造会社によって異なると思いますので,自分で破断巻き数を測定するのがよいと思います.破断巻き数の80%程度の巻き数で使うとよいでしょう.下の図の場合,常用使用巻き数は,潤滑無しの場合で260回,潤滑有りの場合で360回となります.
輪ゴムは劣化が早いので,時間が経つと切れやすくなります.頻繁に新しいものと取り替える必要があることを覚悟してください.




8.重心位置の調整
ゴムを機体のプロペラシャフトとフックにかけます.S環をフック側にします.

主翼を支えて重心位置を探します.機体が傾かない支持点が重心の前後位置です.重心の前後位置が図面に示した場所に来るように,機首または機尾に板鉛をマスキングテープで貼ります.

ゴムと重心調整のおもりを入れて約17グラムになりました.

飛ばし方

以下は,機体に動力ゴムをつけた状態で行います.

1.機体の曲がり,ねじれの点検
胴体,翼が曲がっていないか,ねじれていないか,左右対称かを点検します.曲がっているならば,直します.
直すには,接着をはがして,やり直すほうがよいこともあります.

2.ガーニーフラップ用の帯板の製作
ガーニーフラップとは,翼の後縁につける板状の部品で,舵角をとったのと同じ効果を発揮します.



2mm厚のスチレンペーパーに両面粘着テープを貼り,2〜3mm幅に切って帯板を作り,これをガーニーフラップとして使います.


ガーニーフラップを方向舵と昇降舵として使った例.長くするほど,効果が大きくなる.


4.スラストラインのセット
スラストラインとはプロペラシャフトの向きです.
スラストラインは動力飛行の安定に非常に重要です.少しの向きの変化で飛び方が大きく変化します.
プロペラの中心と機体の重心を結んだ線をスラストラインの基準とし,スラストラインがこの線から何度傾いているかで,スラストラインの角度を定義します.
前側を下に傾けるのを「ダウンスラストxx度」,前側を右または左に傾けるのを「右(または左)サイドスラストxx度」 というように表します.

注意:上で説明したダウンスラスト角とサイドスラスト角の定義は,世の中で使っている定義とは異なります.普通は,機体の基準軸とスラストラインの間の角度で定義しています.しかし,これでは機体の基準軸は任意に定義できるので,スラスト角の物理的意味がなくなります.

サイドスラスト0度,ダウンスラスト約2度にセットします.これは非常に重要です.
サイドスラストが0度になっているかどうかは,機体を上から見て,プロペラ軸が機体の中心線と一致しているかどうかで確認できます.もしずれているようでしたら,プロペラ支持部品の針金を曲げて合わせます.
ダウンスラストの角度は,プロペラの中心をつまんで機体をぶら下げ,機体の横から見てプロペラシャフトと背景の垂直線(窓枠等)との角度を観察します.角度の変更は,プロペラ支持部品を曲げて行います.


わずかにダウンスラストになっていることがわかる.


5.滑空調整
風のないときに,ゴムを巻かないで,顔の前から少し下に向けて,数メートル先の地面をねらって押し出すようにして飛ばします.このとき,飛び方をよく観察します.

まず,左右に曲がらないで飛ぶかどうかを見ます.

■ 左に曲がるようなら,垂直尾翼の後縁の右側に6mm程度の長さのガーニーフラップを貼ります.
■ 右に曲がるようなら,垂直尾翼の後縁の左側に6mm程度の長さのガーニーフラップを貼ります.
曲がりがなくなるようにガーニーフラップの長さを調節します.

次に,上下の運動を見ます.
飛ばすときに押し出す強さを弱くしたり,強くしたりしてみます.
強く押し出すと,少し上に上がってから,次に機首を下げて波状飛行に入ります.
弱く押し出すと,手元近くに落ちてしまうはずです.
一定の角度で直線に降下していく飛び方をする加減をみつけましょう.




よい飛び方で5〜6m先で着地するように調整しますが,そのためには,水平尾翼の左右後縁にガーニーフラップをつけて調節します.ガーニーフラップで機首の上げ下げを変えることができます.ガーニーフラップを水平尾翼後縁の上側につけると機首を上げます.
ガーニーフラップを水平尾翼後縁の上側につけると機首を下げます.

■ 機首を上げてから,次に機首を下げて頭から落ちる場合や,波状運動をする場合は,水平尾翼後縁の下側にガーニーフラップをつけます.
■ 飛行距離が短い場合は,水平尾翼後縁の上側にガーニーフラップをつけます.
一定の角度,降下速度でなるべく遠くまで飛ぶように調節してください.ガーニーフラップの効きはガーニーフラップの長さで調節できます.このときの飛ぶ速度を覚えておいてください.


6.動力飛行の調整
左旋回上昇するように調整します.右旋回上昇するほうが獲得高度は大きくなりますが,調整が難しいからです.
動力飛行の後の滑空の旋回方向は,さしあたりなりゆきまかせにします.
動力飛行の調整は,垂直尾翼後縁にガーニーフラップを貼って行います.(普通はスラストラインの角度を変えて調節するように説明してありますが,スラストラインの角度の細かい調節は難しいのでやらないでください.)

この機体は軽く飛行速度が遅いので,風が強いときには飛ばせません.風速2m/s以下の時に飛ばしましょう.

まず,ゴムを100回巻いてから,水平に押し出すようにして飛ばします.
どのように飛ぶかを観察します.
右や左に曲がっても,ゆるい曲がりなら許容できます.
滑空試験のときより速度がだいぶ速くて,小さい半径で右や左に曲がる場合には,垂直尾翼の後縁の曲がる方向と逆の側にガーニーフラップを貼って,曲がりを少なくします.特に右に曲がる場合は,巻き数を増すにしたがって,速度を増してさらに右に突っ込むようになるので危険です.
速度が増加するということは,ゴムに蓄えられたエネルギーが上昇に使われずに,速度の増加に使われていることですので,旋回を減らして上昇させるようにするのです.
空中でゴムが全部巻き戻ったあとの滑空飛行の状態を観察し,降下が急なときには,水平尾翼の後縁の上側にガーニーフラップを貼り,波状飛行するときには,水平尾翼の後縁の下側にガーニーフラップを貼ります.

次に,巻き数を150回にして,水平に押し出すようにして飛ばします.
巻き数を増したことにより,上昇が増します.ここからは,少し左旋回上昇するように垂直尾翼のガーニーフラップで調節します.

次に,巻き数を200回にして,30度程度上に向けてに押し出すようにして飛ばします.
巻き数を増したことにより,上昇が増します.少し左旋回上昇するように垂直尾翼のガーニーフラップで調節します.

だんだん巻き数を増やしていき,最後に,巻き数を破断巻き数の約80%の回数にして,30度程度上に向けてに押し出すようにして飛ばします.
最初はほぼ直進し,そのあとは左旋回上昇するように垂直尾翼のガーニーフラップで調節します.獲得高度が最も高くなるように旋回を調節します.旋回半径を小さくしすぎると獲得高度が小さくなります.

■ 上級者向けの補足事項
滑空時の旋回を調節したい場合は,動力調整前にサイドスラスト角を意図的につけておけば可能です.
獲得高度を増すために,右旋回上昇をさせることもできますが,巻き数を増すにしたがって右に突っ込む危険があることを認識して,少しづつ巻き数を増やして調整する必要があります.